Japanese
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講座
てんかんとリハビリテーション 1.てんかんの医療
Medical Treatment for Epileptic Patients
杉江 秀夫
1
,
丸山 博
Hideo SUGIE
1
1東京女子医科大学小児科
1Tokyo Women's Medical College.
pp.409-418
発行日 1979年6月15日
Published Date 1979/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101927
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はじめに
小児期にけいれんを訴える患者は多い.また事実,小児はけいれんをおこしやすい.一体,どの位の頻度でけいれんをおこすのであろうか?.残念ながら我が国での正確な統計はないが,Cooperが英国で検討した数字によれば,「1度でもけいれんを経験した例は,生後2年間では2.27%であり,生後15年間を累積すれば,約6.2%になる.」,という事になっている.これはある意味では,かなり多い疾患であると言える.さて,けいれんは生体の非特異的な反応状態であり,それゆえ,けいれんすなわちてんかんではなく,またてんかんが必ずしもけいれん発作を呈する事はない.
一般にけいれん全体でてんかん(熱性けいれんを除く)の占める割合は約1/10であり,その他は,てんかん以外の疾患に起因するけいれんという事になり,その診断を誤ると,治療法がまるで違う事になり,予後に大きな問題を残す事となる.つまり,けいれんをみたらまずその原因疾患を明らかにするように心がけるようにしなければならないわけである.
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