本の紹介
「精神分裂病の臨床(通院治療を中心に)」―湯浅修一著
大丸 幸
1
1九州リハビリテーション大校
pp.126
発行日 1979年2月15日
Published Date 1979/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101853
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精神医学が記述精神医学,力動精神医学,社会精神医学と,それぞれの発展をみながらも,精神科作業療法(以下OTと略)の理論的よりどころを求める時,何か今一つ釈然としないことがある.そんな時,出合った本書の基本的立場となる生活臨床が,分裂病者を,生活している人―生活者とみる観点に立ち,その自立を助けるため,継続的に生活相談にのっていく,いわば分裂病という疾病の治療より,分裂病者の生き様を重視するという発想において,共感できることが多い.しかも本書は,筆者が群馬大学附属病院で,受持医として治療を開始した約120例の分裂病圏の患者たちの,いわば症例集であり,長年臨床家として御活躍された筆者と患者との生々としたケースレポートで,読者に与える感動は大きい.
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