とびら
作業療法に思うこと
井戸 朝徳
1
1熊本労災病院作業療法士
pp.1
発行日 1978年1月15日
Published Date 1978/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101603
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人は生れ成長し大人となりそして老いてゆき生涯を終る.その問に色々の事を学び・考え・体験するであろう.この事は本人の人格・識見・人生観に影響を与えるものと思う.この考え方,体験のありようが,障害を持つ身になった人に対しても,心理的対応と障害の受け入れに作用するものと思われる.
作業療法を行っている人と,よく語り合うようにしているが,考えのはっきりした人,流れにまかせるような人等あり,それぞれの人生を送られた人達の話は,それなりに楽しく聞かせてもらっている.その会話の中で作業種日をどう組み合せてゆくかを決めて,出来るだけ受け入れられ易いものを選ぶようにしている.受け入れの悪い人は作業療法士泣かせであるが,受け入れの良い人は,次から次へ段階を追って種目を変更しながら,より合目的なもの,創造的なものへと進んでゆけて,患者の喜びばかりでなく作業療法の素晴らしさを感ずる事もある.
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