特集 研究法
―研究テーマの見つけ方―思いつき,疑問を研究可能な設問に
鎌倉 矩子
1
1東京都老人総合研究所障害研究室
pp.586-587
発行日 1976年8月15日
Published Date 1976/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101272
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この課題をいただいたのはだいぶ前のことだが,それ以来たいへん気が重くなってしまった.いくら「私はこうだった」式でよいと言われても,分不相応な役割をひきうけたという感じは拭えなかったからである.
今から百年も前に「実験医学序説」を書いたクロード・ベルナールは,そのとき53歳で,「彼は呼吸をするように次々と大発見をした」といわれるほどの大研究の数々をすでに成し遂げていた.病を得て療養のかたわら,この書を著わしたのだという.本誌でなじみの砂原茂一先生は,「日本における例外的なすぐれた臨床実験を体験された」と形容句が冠せられるほどの方である.本誌49年1~5月号の砂原・上田対談「PT.OTと研究」には,およそ臨床で研究に志すものに必要な心構えが,名句を散りばめて語りつくされている.研究論は,こうした大家が語ってこそ,ずしりと重みがある,というものなのに.
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