Japanese
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研究と報告
大腿四頭筋筋力増強におけるIsokinetic ExerciseとIsometric Exerciseとの効果の実験的比較
An experimental study on the effect of isokinetic exercise comparing isometric exercise.
嶋田 智明
1
Tomoaki SHIMADA
1
1九州リハビリテーション大学校
pp.228-232
発行日 1976年3月15日
Published Date 1976/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101186
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はじめに
理学療法の分野においては,筋力増強が治療の大きな目的となることが決して少なくない.筋力を増すには,抵抗を負荷として与えることが必要であると言われてきた.しかしHellebrandt1)は,抵抗を負荷とする代りに,筋の収縮スピードをコントロールすることで,筋の有する仕事能(Working capacity)を増大させることが可能であると報告している.この理論は,N.Y.U.のLowman2)を中心に電器メーカーTechnicon社の協力で,Isokinetic exerciseの可能なCybex machineの開発により一段と注目を浴び具体的に実証できるようになってきた.このIsokinetic exerciseでは,筋収縮速度を一定にコントロールすることで,運動の全可動範囲にわたって,適切な負荷を筋収縮抵抗として与えることが可能である.これに対しIsometric exerciseでは,適切な関節角度に固定された状態で,筋はその最大収縮をもって働くが,筋収縮速度が0であるため,関節運動は結果として,生じず,物理的にも仕事量は0である.しかし,筋繁張を最大に高めるという意味で,筋力増強の一有効法として従来から使用されてきている概念で,現在もなお好んで用いられる方法である.そこでこの実験では従来から筋力増強法の一手段として使用されてきたIsometric trainingと,筋収縮速度を概念にとり入れたIsokinetic trainingが,大腿四頭筋の,筋トルク値の増大にどれ程異なった効果を示すかを比較検討し,Isokinetic exerciseの意義を考えてみたい.
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