Japanese
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【調査報告】
糖尿病教室におけるグループディスカッション機能の検討―セルフ・ヘルプ・グループ類似機能
Function Analysis of Diabetic Group Discussion on Diabetes Class: Similar Function of Self-help Group
川上 由香
1
,
田中 寿江
1
,
堀井 亜希子
1
,
佐藤 美代子
1
,
末沢 広子
1
,
河口 てる子
2
Kawakami Yuka
1
,
Tanaka Sumie
1
,
Horii Akiko
1
,
Sato miyoko
1
,
Suezawa Hiroko
1
,
Kawaguchi Teruko
2
1大阪大学医学部付属病院
2日本赤十字看護大学
1Osaka University Hospital
2Japaneses Red Cross College of Nursing
pp.14-21
発行日 1999年4月15日
Published Date 1999/4/15
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Ⅰ.はじめに
1.糖尿病患者教育の現状
糖尿病は慢性疾患のなかでもその治療が食事療法・運動療法を中心とする患者の自己管理に多くを依存しているという点で特異な疾患である(安酸・川田, 1998).糖尿病患者は発症を契機にこの食事療法・運動療法を取り入れ,ライフスタイルを変更していかなければならず,それを継続していく必要がある.しかし,いったん食事療法を学んで実行するようになった患者でも,食事療法実行度は時間の経過とともに低下することが明らかにされている(河口, 1994).
食事療法の継続を困難にしている要因の1つとして,食事内容の質には明らかな制限がないものの,量的には厳しい制限があり,人間の基本的欲求である食欲を終生コントロールしなければいけないことが挙げられる.近年,食料が豊富になったことや,過剰な広告の誘惑がさらに食欲のコントロールを困難にしていると思われる.また,食事をともにすること自体がコミュニケーションの手段である現代においては,心理的負担は以前にも増して大きいと考えられる.このような特徴をもつ糖尿病患者教育の鍵は,いかに望ましい行動変容を促すかであろう.
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