Japanese
English
展望
水俣病のリハビリテーション
Rehabilitation in Minamata disease.
緒方 甫
1
,
山口 拓明
1
,
前田 修一
1
,
三隅 博
2
Hajime OGATA
1
,
Hiroshi MISUMI
2
1水俣市立病院附属湯之児病院,リハビリテーション科
2済生会熊本病院内科
pp.13-17
発行日 1974年1月15日
Published Date 1974/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100756
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はじめに
昭和28年頃より熊本県南端の水俣市郊外の一定地区に原因不明の中枢神経性疾患が発見され,この疾患は当初,原因が不明であるところから奇病といわれたが,後に水俣病と命名された.
その後,この原因を熊本大学水俣病研究班の努力によって,化学工場よりの排液中に含まれる有機水銀による中毒であることが判明した.本症は国が認定した公害病の第一号として,昭和48年8月までに602名の認定患者を出し,死亡例は併発症によるものを含めて79名に達している.現在も多数の患者が程度の差はあるが後遺症に悩んでいる.
当院(水俣リハビリテーションセンター)では昭和40年の開院以来,これらの患者のうち延51名を収容し治療にあたってきたが,本篇はその経験をもととして,熊本大学を中心とした報告を参考に加えて,リハビリテーションの立場からながめた概況である.
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