特集 脳性麻痺のリハビリテーション
脳性麻痺の考え方と対策
高橋 勇
1
1整肢療護園整形外科
pp.9-16
発行日 1967年8月9日
Published Date 1967/8/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100039
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脳性麻痺とは
脳性麻痺(cerebral palsy,CP)とは胎生期,出産期,あるいは乳児期における脳障害が原因でおこった運動障害であるが,しばしば言語障害,知能障害,知覚障害,てんかん,視聴覚障害,性格行動異常などいろいろな問題を伴っていることが多い。いわば一種の症候群である。ただし悪性脳腫瘍のように進行性のものは除外される。
ところで脳性麻痺がはじめて記載されたのはいつかというと,今からすでに百有余年も昔のことで,報告者はWilliam John Littleという英国の外科医であった。その症例というのは早産,難産,仮死分娩などが原因と考えられる痙性両麻痺(infantile spastic diplegia)であって,今日にしてみれば脳性麻痺というぼう大な症候群の一部でしかないのであるが,リットル氏病(Little's disease)と呼ばれ,以来あたかも現在われわれがいっている脳性麻痺の典型か代表であるかのように考えられていたようである。
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