目でみる耳鼻咽喉科
唾液腺oncocytic cell tumorの細胞診
安藤 一郎
1
,
上原 紀夫
1
,
仙石 規
1
,
鈴木 節子
2
1順天堂大学医学部耳鼻咽喉科学教室
2順天堂大学病院中央検査室細胞診
pp.1016-1017
発行日 1987年12月20日
Published Date 1987/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492210413
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唾液腺腫瘍の術前診断は,画像診断(唾液腺造影,シンチグラム,超音波など)の進歩,とくにCTの一般臨床への普及により,その腫瘍の位置,大きさ,形状,拡がり,周囲臓器との関連などは術前に詳しく診断が可能となってきた。また画像診断により良性,悪性の判定あるいは病理組織型の推定診断も試みられている。
ワルチン腫瘍(Warthin's tumor)と膨大細胞腫(oncocytoma)は好酸性細胞(oncocytic cell)より成る唾液腺腫瘍で,おのおのの発生頻度は唾液腺腫瘍の5〜10%,1%といわれており稀な腫瘍ではない。また50〜60歳以上の男性に多くみられ,Tcシンチグラムでホット像を示すなどの臨床的特徴があるが,術前の病理組織型診断は容易でない。
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