特集 中耳真珠腫最新の知見—病態から治療まで
III.後天性真珠腫・治療
真珠腫の手術的治療—病変による手術法の選択
梅澤 祐二
1
1東京慈恵会医科大学附属第三病院耳鼻咽喉科
pp.879-885
発行日 1987年10月20日
Published Date 1987/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492210393
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はじめに
中耳真珠腫に対する手術の最大目的は,その病変を徹底除去しさらに真珠腫再発の防止対策を行うことである。この条件を満足させたうえで,できうれば聴力の改善もしくは保存が可能となれば最良の結果となる。そこで常に問題となるのは,病変清掃にさいしての外耳道後壁の処理法であり,これについては現在でも論議の的で,最終的にclosed methodかopen methodかの選択は術者自身の経験と判断能力に頼っているのが現状である。
中耳真珠腫の手術を行った場合,術後の聴力成績もさることながら術後性真珠腫の発症が第一番の問題である。そこで今回はまず術後性真珠腫の分類と発症要因について触れ,ついで病態の特徴,最後に病変による手術法の選択をどのように行っているかについて述べる。
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