特集 中耳真珠腫最新の知見—病態から治療まで
III.後天性真珠腫・治療
真珠腫の手術的治療—真珠腫手術と人工材質
山本 悦生
1
1神戸市立中央市民病院耳鼻咽喉科
pp.901-905
発行日 1987年10月20日
Published Date 1987/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492210396
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はじめに
中耳手術時の欠損部の補綴材料としては自家組織,同種組織および人工材料がある。できるかぎり生体材料,それも自家組織を使用したい。しかし中耳真珠腫では骨破壊が起こりやすく,耳小骨や外耳道後壁などの良好な聴力を保持するに必要な中耳の構造物が一部消失することが多く,人工材料を使用せざるをえない場合が多い。
これまで人工材料としては金属材料と有機材料が使用されてきたが,組織親和性,生体内安定性が悪く,排出されることが多かった。
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