特集 耳鼻咽喉科・頭頸部画像診断の最近の進歩
耳鼻咽喉科・頭頸部領域の超音波検査法
林崎 勝武
1
,
鈴木 晴彦
1
,
沼田 勉
1
,
日野 剛
1
,
角南 滋子
1
,
金子 敏郎
1
1千葉大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.557-562
発行日 1987年7月20日
Published Date 1987/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492210340
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I.はじめに
超音波の研究は夜間におけるコウモリの捕虫動作の観察に端を発し,20世紀に入って第一次および第二次世界大戦においては主に軍事目的のため飛躍的発展を遂げ,以後は工業的利用に加えて医学的応用が行われ現在に至っている。
耳鼻咽喉科領域における超音波診断の始まりは25年ほど前に金子1)が上顎癌の診断に用いたのが最初であるが,その後の装置の改良,進歩に伴いその対象となる疾患も拡がりつつあり,ことに甲状腺や耳下腺などの頸部腫瘤に対しては補助的診断法としての地位をほぼ確立したといえる。しかしながら外科領域,産婦人科領域などとの比較からみて,耳鼻咽喉科においての利用はまだまだ少数の施設にとどまっているのが現状である。
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