目でみる耳鼻咽喉科
顎顔面変形症に対する手術的治療
長谷川 誠
1
,
渡辺 勈
1
,
宮沢 正純
2
,
榎本 昭二
2
1東京医科歯科大学医学部耳鼻咽喉科学教室
2東京医科歯科大学歯学部第二口腔外科学教室
pp.520-521
発行日 1987年7月20日
Published Date 1987/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492210335
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唇顎裂や上顎,下顎の後天的発育異常によりしばしばそしゃく機能や音声機能の障害がもたらされる。同時にこのような患者においてはしばしば患者自身が自己の容貌に関する不満をもち,それが社会生活に適応するうえで問題となることが少なくない。その機能障害および容貌の改善を目的として,近年本邦においても顎顔面変形症に対する手術的治療が行われるようになってきた。この手術においては両側上顎洞を輪切りにし,鼻中隔を切断して,上顎を後方,前方,あるいは上方へ移動させるために,耳・鼻副鼻腔領域に新たな機能障害を惹き起こさせる可能性がある。したがってこの手術にさいしてはこの領域を熟知した耳鼻咽喉科医が直接あるいは間接的に関与することが望まれる。昭和58年より東京医科歯科大学においては医学部耳鼻咽喉科教室と歯学部第2口腔外科学教室との間でその手術法と耳・鼻副鼻腔の形態と機能に及ぼす影響について研究する臨床研究プロジェクトがスタートした。今回はその成績の一部を紹介する。
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