目でみる耳鼻咽喉科
鵞口瘡について
村井 信之
1
,
古内 一郎
1
1獨協医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.166-167
発行日 1987年3月20日
Published Date 1987/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492210270
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鵞口瘡(thrush, Soor)という病名は最近聞き慣.れない言葉となり,口腔内カンジダ症もしくはカンジダ性口内炎と呼ばれている。本症の多くは酵母様眞菌であるCandida albicansによるものである。症状は口内異常感,乾燥感また口臭などがあり重症では口内痛を訴えることがある。
カンジダは正常の人でも15〜30%に口腔内より培養され,非病原菌として常在している。このため病原性をもつためには種々の要因が関与する。たとえば年齢(乳児,老人),局所的要因(義歯,歯の欠如,口腔乾燥症etc),全身的要因(栄養状態,全身感染症,糖尿病,免疫不全,抗生剤やステロイド剤の多量投与etc)などが考えられる。本症の診断には臨床所見とともに菌の証明が重要である。
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