特集 ウイルス感染症
IV.治療と予防
免疫グロブリン療法—とくにHunt症候群を中心として
村井 信之
1
,
馬場 廣太郎
1
,
古内 一郎
1
1獨協医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.953-956
発行日 1988年10月20日
Published Date 1988/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200248
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はじめに
帯状疱疹は内科・皮膚科領域の疾患では比較的遭遇する機会の多い感染症の一つであり,本症は周知のように水痘の起因ウイルスであるVaricella—Zosterウイルス(VZV)による回帰感染症と考えられている1)。
耳鼻咽喉科領域ではこのウイルスによって発症するRamsay Hunt症候群(以下,単にHunt症候群と記述)がある。鼓膜,外耳道,耳介などの耳帯状疱疹(Herpes zoster oticus)とこれに伴う神経痛,それに前後して同側の末梢性顔面神経麻痺や第8脳神経症状である難聴耳鳴り,眩暈などを発症するのが特徴である。本症の病態はVZウイルスによる多発神経炎であるとされ,保存的治療が主体となっている。
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