講座
新生児鵞口瘡について
吉川 栄
1
1順天堂大学医学部産婦人科学教室
pp.34-38
発行日 1958年12月1日
Published Date 1958/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201591
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はしがき
鵞口瘡は口腔粘膜に白苔を生ずる疾患で,古くより知られており,特に乳幼児や消粍性疾患の際に罹患しやすい.本症の起因菌は,Langenbeck(1839)により初めてチフス患者の,口腔・咽頭に生じた偽膜中から発見され,その後多数の学者により研究されて分類学的位置も種々変更されて来たが,局所的疾患のため比較的軽視されていた感がある.
然るに最近,抗生物質の著しい進歩は,諸種感染症の治療に大きな貢献をもたらしたが,副作用の一つに真菌症の発生が認められ,死亡例まで報告されるに至り,俄然重要視され,口腔真菌症,即ち鵞口瘡が再びかえり見られるようになつた.
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