目でみる耳鼻咽喉科
指骨癒合症を伴ったアブミ骨固着症例
三好 茂
1
,
阿座上 光太郎
1
,
日向 美知
1
,
矢野原 邦生
1
,
西村 武重
1
1京都第一赤十字病院耳鼻咽喉科
pp.4-5
発行日 1987年1月20日
Published Date 1987/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492210241
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指骨癒合症とアブミ骨固着症の合併はStrassburgerやStrengerなどにより報告されているがきわめてまれな先天性疾患の一つである。これとく似た疾患にoto-palato-digital syndromeがあるが,これまでの報告をみると遺伝学的にも別の疾患のようである。しかしながらこれらの中間と考えざるをえない症例もあり,今後さらに論議を呼ぶところであろう。
われわれはこれまでに本疾患と思われる症例を2例経験した。症例1は29歳の女性で先天性難聴があり補聴器にて日常生活を送っていた。症例2は12歳の男性でやはり先天性難聴で,両者ともに伝音難聴を指摘され精査加療の目的で当科に紹介されてきた。両者ともに難聴とともに手指〜足趾骨の奇型を有していた。精査の結果アブミ骨固着を疑い,症例1の両耳,症例2の右耳にstapedotomyを施行し著明な聴力改善を得た。
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