特集 検査結果・検査報告書をどう読むか―感染症・生理機能検査編
生理機能検査の結果を読む―治療効果の評価
平衡機能障害の治療効果を判定する
横井 純
1
,
柿木 章伸
1
Jun Yokoi
1
,
Akinobu Kakigi
1
1神戸大学医学部附属病院耳鼻咽喉・頭頸部外科
キーワード:
平衡機能障害
,
vHIT
,
VEMP
Keyword:
平衡機能障害
,
vHIT
,
VEMP
pp.423-427
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000105
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はじめに
体平衡は内耳の前庭機能と中枢機能,さらに視覚情報や皮膚・筋肉の知覚情報などが総合的に関与して維持されている1)。平衡機能障害に関連する生理機能検査は,これまで電気眼振図,フレンツェル眼鏡や赤外線CCDカメラ下での眼振の計測,温度刺激検査(カロリック検査)や回転刺激検査による外側半規管機能検査,重心動揺検査による静的体平衡機能検査,歩行検査や足踏み検査などによる動的体平衡機能検査などがおこなわれてきた。近年,新たな前庭機能検査として,ビデオヘッドインパルステスト(vHIT:video head impluse test)や前庭誘発筋電位検査(VEMP:vestibular evoked myogenic potential)などが登場し,これまで調べることが難しかった各半規管(前半規管,外側半規管,後半規管)の機能や,耳石器(卵形囊,球形囊)の機能を簡便に検査できるようになってきた。
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