特集 めまい—問診から治療まで
III.診断
平衡機能検査—視運動眼振検査,視標追跡検査
水越 鉄理
1
1富山医科薬科大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.763-773
発行日 1986年10月20日
Published Date 1986/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492210195
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I.はじめに
視運動眼振検査や視標追跡検査は視覚系平衡機能の一部である眼球運動の機能検査である。これらの機能検査が平衡機能検査上不可欠になった理由は,平衡を維持するために眼運動を制御している視運動系の神経回路が迷路前庭系と密接に関連しており,脳幹を中心とした眼運動系(oculomotor system)を刺激し,その反射機構をみる検査であるためである。したがって脳幹障害を最もよく反映する検査としてルーチンテストに加えられた。
これらの視刺激による誘発眼運動検査は現在視運動眼振検査(optokilletic nystagmus test,OKN test),視運動性後眼振検査(optokinetic after nystagmus test,OKAN test),追従眼運動検査(smoothpursuit eye movement test),急速眼球運動検査(saccadic eye movement test)に分けられる。
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