目でみる耳鼻咽喉科
IgA腎症と扁桃摘出術の効果
増田 游
1
,
小倉 義郎
1
,
杉山 信義
2
,
門田 尚
3
1岡山大学医学部耳鼻咽喉科
2水島協同病院内科
3水島協同病院病理部
pp.242-243
発行日 1984年4月20日
Published Date 1984/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209759
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1968年,Bergerらによって報告されたIgA腎症は,免疫螢光法でIgAが主に糸球体メサンギウム領域に沈着する原発性糸球体疾患で,臨床的には軽度の蛋白尿と持続性血尿を示し,上気道感染時には肉眼的血尿を反復発来する慢性腎疾患である。その20%は腎不全へ移行する。
診断確定には腎生検が必要である。上気道炎のつど血尿発作を反復することから,扁桃炎との関連も元来考えられてきたが,一般には,上気道炎それ自体はIgA腎症の発生・進展と直接の関係はなく,その治療は本症の経過に影響ないとみられてきた。しかし,臨床像からみても,抗原刺激の場である扁桃が,その臨床経過に大きく関与している可能性が考えられる。
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