Japanese
English
綜説
ステロイド・ホルモンと肺機能
THE EFFECT OF STEROID HORMONES ON THE IMPAIRED PULMONARY FUNCTIONS
横山 哲朗
1
Tetsuro Yokoyama
1
1慶応義塾大学医学部内科学教室
1School of Medicine, Keio University, Department of Internal Medicine, Cardiopulmonary Laboratory
pp.687-698
発行日 1958年9月15日
Published Date 1958/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200668
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1.はじめに
各種肺疾患の治療にステロイド・ホルモンが次第に広く用いられるようになり,多くの成果をあげている。そしてそのステロイド・ホルモンの作用機序に関してもすでに多くの研究が報告されている。気管支喘息などのアレルギー性肺疾患に対して,肺結核症をはじめとして急性・慢性の各種肺感染症に対して,あるいは肺肉芽症として総称される各種疾患に対して主として内分泌学的見地から検討が加えられてきた。呼吸困難を伴なう慢性肺疾患に対するステロイド・ホルモンの肺機能障害改善作用に関しても近年多くの業績があげられるようになつてきたが,内分泌学的検討に較べればまだ十分とはいえず,肺生理学的にみたステロイド・ホルモンの作用機序には未だ少なからぬ疑問が残されている。
ここでは肺生理学的見地から問題をステロイド・ホルモンの肺機能障害に対する効果に限定して従来の知見を綜合して検討を試みたい。
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