Japanese
English
特集 神経疾患と免疫
脱髄疾患における体液性免疫と細胞性免疫
Humoral and cellular immunity in demyelinating diseases.
米沢 猛
1
Takeshi YONEZAWA
1
1京都府立医科大学病理学教室
1Department of Pathology, Kyoto Prefectural University of Medicine
pp.29-38
発行日 1980年2月10日
Published Date 1980/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431905137
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免疫現象は大きく分けて体液性免疫と細胞性免疫とに区別されている。前者はBリンパ球による抗体形成,さらに抗原抗体反応という形をとり,後者はTリンパ球を感作し,さらに食細胞を刺激して貪喰能を賦活化し,あるいはlymphotoxinなどを放出して組織細胞の壊死をきたす。前者は即時型の免疫反応を,後者は遅延型の反応を示すものである。この二つの免疫現象は型としては区別されてはいるものの,一つの疾患に際して両者は強弱の程度の差はあるものの,ともに疾患を構成する要因となっている。
一つの免疫疾患を見る場合,上述のおのおのの型が複雑に関わりあっており両者を分離して考えることは必ずしも容易ではない。たとえこの疾患の動物モデルを実験的に作りえたにしても,それだけでは上述の二つの免疫現象を分離することはできない。この二つの現象を別個に観察するにはそれぞれの免疫現象に関与している成分をより純粋な形で新しい免疫現象の場へと導入することである。
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