創刊50周年記念特集 今日の耳鼻咽喉科/治療のコツと全身管理
咽喉頭—症候と疾患
口唇ヘルペス(Herpes labialis)
関谷 透
1
1山口大学医学剖耳鼻咽喉科
pp.812
発行日 1978年10月20日
Published Date 1978/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208755
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水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus)の感染症である。このウイルスの侵襲によつてただちに帯状疱疹の臨床像を呈することはまずないと考えられ,したがつて潜状期間は不明である。現在では初感染病変は水痘であり,帯状疱疹はその再発型と考えられている。すなわち,初感染(水痘経過あるいは不顕性を含む)後,ウイルスが脊髄後根の神経節内に潜伏し(休止感染),後年,なんらかの誘因により,再活性化され,発症するものと思われる。ウイルス再感染の他,誘因として局所皮膚粘膜の軽度の外傷,特定食餌あるいは全身的代謝機構の破綻状態(免疫不全状態)などが本症の発現に関与する。
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