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I.緒言
昭和50年度の結核新登録患者数は108,088人で罹患率は96.6(対10万),結核死亡は10,562人,死亡率9.5で,死因順位は第10位となつている。昭和25年を境として結核は年々減少の一途をたどつてきているが,年齢階級別の死因順位をみると,総数では35歳から54歳までの階級では第7位を,男性で55歳から64歳までの階級では第6位を占めているのが現状である33)。耳鼻咽喉科領域でも,近年結核の報告は稀でなく,化学療法の進歩により一般には結核おそるべからずの風潮もみられるが,前述したように死因順位では重要な位置にあり,臨床医にとつて常に念頭におくべき疾患であることには現在も変わりはないものと思われる。
われわれは開院以来の5年間で喉頭結核4例,中耳結核2例を経験し,一部は既に日本気管食道科学会および日耳鼻神奈川地方部会にて報告した。今回は顎下部腫脹を伴つた耳下腺部の結核を経験したのでここに報告し,あわせて若干の文献的考察を加えた。
A case of tuberculosis of the parotid gland occurred in a 2-year-old girl was reported. The right parotid gland, the ipsilateral submandibular gland and the submandibular lymph nodes were involved. Diagnosis was confirmed pathologically, and the patient was treated by antituberculous agents.
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