鏡下咡語
診療体制強化のかげの担手はここにもある
秋山 太一郎
1
1日本医用高分子材料研究所
pp.372-373
発行日 1977年5月20日
Published Date 1977/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208503
- 有料閲覧
- 文献概要
診療の合理化という観点から耳鼻科の領域では器材の使用状況がどうなつているかを知りたいと思い調べてみたのである。これはアンケート式調査というようなおおげさなものではなく,私が主として接した耳鼻科医との対話を情報源として,まとめたものである。したがつてこの結論は多少片寄つたものであるかもしれないことを,おことわりしておく。
まず第1に耳鼻科医の中にも新しいことは何でもやつてみようという積極的な,いわゆる積極型というべきものと,その第2に前とは正反対で,どこまでも在来の方法を踏襲しようという,いわゆる保守型というべきものがある。こうした傾向というものは格別耳鼻科系だけの問題ではなく,医学の外ですらよく見あたる現象である。したがつて,あえて色分けをしてその優劣を論じようというのではなく,ただそれは,それなりの理由がある筈で,在来の診療心理の中に合理化ということをどう結びつけたらいいかを具体的な場面で述べてみたい。
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.