特集 外傷
顔面外傷のX線像
中島 龍夫
1
,
藤野 豊美
1
,
田嶋 定夫
1
1慶応義塾大学医学部形成外科学教室
pp.741-749
発行日 1976年10月20日
Published Date 1976/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208408
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顔面骨は大きくわけて上顎,下顎の2つの要素に分けられる。上顎骨においては頭蓋骨に近く,その構成する骨も多いため,顔面のX写真の読影では単なる前後像,左右像だけでは多くの重複する骨に妨げられ,確実な読影は困難なことが多い。
顔面外傷の診断にまず1枚となるとWaters法があげられよう(第1図)。Waters法は特に顔面中1/3を中心とした骨格の状態が明瞭に観察され,顔面全体の概要を知るのにもつとも適している撮影法である。しかしこれだけでは頬骨弓,眼窩内側壁,下壁,下顎骨関節突起などは明瞭に撮影されない事もある。
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