特集 症状からみた検査のすすめ方
嚥下障害
井上 鉄三
1
1国立病院医療センター耳鼻咽喉科
pp.733-740
発行日 1974年10月20日
Published Date 1974/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208131
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嚥下障害全体をとり扱うに際しては,1)嚥下障害(真の意味での)と,2)通過障害,との相異点を,かなりはつきりと把握しておく必要がある。
嚥下障害とは,口腔内の咀しやく運動に始まつて,舌の運動,咽頭収縮筋,下咽頭収縮筋群,および,食道入口部筋の機能異常により,または,この径路中に,脱神経がおこつたり,中枢からの命令がうまく伝わらない場合などにおこる。いわゆる,のみ込み運動の障害である。したがつて,嚥下障害は,口腔内から,食道入口部に至る径路中に発生することが大部分である。
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