鏡下耳語
咽喉頭異常感と常識
三宅 弘
1
1名古屋大学
pp.826-827
発行日 1972年10月20日
Published Date 1972/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492207845
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数日前,石垣純二著「常識のウソ」という本の広告に「血液型で性格はわからない―イモを食うと肥るはウソ―酒は血圧に毒はウソ―ヤセの大食いは誤り」という風な人目を惹く項目が並べてあり,最後に「危険極まりない医学迷信追放を願う警世の書」という大時代的な副題が付けられてあつた。
こういう広告を見るにつけても思い出すのは耳鼻科での「常識」と正面から取組んだような数年前の学会である。それは昭和42年,今から5年前名古屋で初めて日本医学会総会が開かれた時のことで,耳鼻科の分科会長は私どもの教室の後藤修二先生だつた。先生の烱眼と先取りは,頭脳の冴えと積極性をそのまま現わすものであるが,分科会のシンポジウムに「咽喉頭異常感」をテーマとして取り上げられたのは正にその面目躍如たるものであつた。
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