巻頭言
微小循環のことなど
関 清
1
1東邦大学医学部第1内科学教室
pp.351
発行日 1969年5月15日
Published Date 1969/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202019
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微小循環を単に微小血管内血流と解してしまえば,plasma skimming, rouleaux formationその他いくつかの共通した現象に集約され,もとの現象の特異性は薄れ,われわれの興味も半滅されてしまうであろう。しかしZweifachを長とする微小循環のシンポジウム,World Congress of Microcirculationあるいは文部省の微小循環の班会議において,この魅力的な言葉をテーマとした意図はそうではあるまい。
取り上げられた次のような問題をみれば,一目瞭然であろう。微小血管内血流,微小血管壁を介しての液体の交流,微小血管壁の透過性,組織液の動き,微小リンパ管内のリンパ流などである。したがって細胞代謝に必要な物質を供給し,代謝産物を排除することに直接タッチする体液の循環と解するのが妥当であろう。意図するところは,細胞代謝と体液循環との関連を求めることにあろうからである。
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