Japanese
English
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鞭打ち損傷に対する頸椎前方固定術の耳科神経学的検討
OTONEUROLOGICAL STUDY ON THE AFTER-EFFECTS OF WHIP-LASH INJURY TREATED BY THE CLOWARD'S METHOD
伊藤 博隆
1
,
大屋 靖彦
1
,
小町 清彦
1
,
高須 照男
1
,
加藤 泰弘
2
Hirotaka Ito
1
1名古屋市立大学医学部耳鼻咽喉科学教室
2名古屋市立城西病院整形外科
pp.593-598
発行日 1971年8月20日
Published Date 1971/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492207669
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最近,外傷性頸部症候群,いわゆる鞭打ち損傷患者は交通事故の増加にともない激増の一途をたどつている。また,これらの問題は社会的にも多方面から関心をもたれ,日常の診療に当たつても診断,治療面に多くの困難なる点を有していることは衆知の事実である。本疾患は早期治療が予後に影響することがきわめて大きく,多数の患者の幾割かは長期にわたつて慢性頑固な症状を有し,整形外科,脳神経外科,耳鼻咽喉科と転々とすることもしばしば見受ける。そこで,著者らは急性期を過ぎて一時軽快した症状が再発した症例や,頸部の安静固定を行なう間は症例が軽快するが,除去すると悪化する様な症例を対象として,クラワード氏法1)による頸椎前方固定術***を施行し,その術前ならびに術後3〜4週における自覚症状,整形外科的検査,耳科神経学的諸検査を行ない,本法の治療効果について検討した。
The anterior spinal fusion by the Cloward's method was applied to eight patients with long-lasting after-effects of whiplash injury. The post operative subjective symptoms and vestibular functions showed improvement in some cases. Hearing, however, was not improved in any of the patients with acoustic trauma.
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