特集 耳鼻咽喉科診療の経験と批判
耳管狭窄症—特にその内視鏡的観察による考察
石井 康之
pp.737-741
発行日 1970年10月20日
Published Date 1970/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492207526
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Ⅰ.はじめに
耳管狭窄症はその原因により真性狭窄および仮性狭窄に,また臨床的,病理組織学的所見から炎症性,非炎症性にわけられるが,いずれもその臨床症状は類似している。
真性狭窄は急性化膿性中耳炎,慢性化膿性中耳炎,急性カタル性中耳炎,慢性カタル性中耳炎,あるいは急性,慢性耳管炎に際して特に耳管骨部,軟骨部の境界である耳管狭部および鼓室口に狭窄が発現しやすく,また神経性,筋性のものはその機能低下のため,耳管軟骨部全域にわたつて狭窄が起こりやすい。かつこれらの中に炎症をともなう場合と,ともなわない場合とがある。
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