特集 耳鼻咽喉科手術の危険度
咽頭
アデノイド切除
浜谷 松夫
1
1札幌医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.785-787
発行日 1969年10月20日
Published Date 1969/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492207360
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アデノイド切除の技術1)は,比較的簡単とは言え,後出血,失血性貧血および脱水症状などと術後においてわれわれが特に心を傷めることが多い手術であり,最近は医事紛争にまで発展しやすいものの一つとして,その要素が含まれていると言える。どちらかというと医師はもちろん,患者の家族は,アデノイド切除を扁桃摘出術とともに,比較的簡単,安易に考えがちで,術後のハプニングを経験することにより,あらためてその危険度の可能性を知らされるのである。その予防対策の一環として,術前の検血および検尿一般,止血機能などの患者の全身状態,特に一過性ショックを考慮し,自律神経機能検査を行なつてから,手術の適応を決めることは,もつとも理想的なことだと思われる。
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