薬剤
耳鼻咽喉科領域におけるγ-Hydroxybutyrate(アネタミン)による全身麻酔の使用経験
松田 一夫
1
,
松田 尊文
1
,
松田 孝一
1
1松田耳鼻咽喉科病院
pp.621-623
発行日 1969年8月20日
Published Date 1969/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492207327
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Ⅰ.緒言
耳鼻咽喉科領域における手術では,一般外科で行なわれる全身麻酔は,顔面や頭部の操作を行なう上で術野を妨げるために,一般に使用されることが少ない。また従来より行なわれている基礎麻酔と局所麻酔の併用では,患者が無自覚のうちに手術が行なわれるまでには到らなかつたし,麻酔を強力に行なえば,血圧低下や覚醒の遅延などの欠点があつた。
われわれは今回γ-Hydroxybutyrate(以下γ-HBと略す)を使用し,耳鼻科領域における麻酔に満足できる結果を得た。本剤は静脈麻酔であるために操作が簡便であり,呼吸系,循環系に対する影響も少なく,毒性もきわめて低く,安全であるし,患者への手術時の不安や苦痛もないので,耳鼻科麻酔に適していると認めたので報告する。
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