薬剤
耳鼻咽喉科領域細菌感染症250例における感受性試験成績の検討
上田 俊郎
1
1津島市民病院耳鼻咽喉科
pp.721-727
発行日 1968年9月20日
Published Date 1968/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492204004
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
最近,われわれ臨床医の間に各種感染症の治療効果が上がらないとの声を聞く機会が増加した。たしかに耳鼻咽喉科領域感染症においても起炎菌の変遷,耐性菌の増加,抗生剤の種類の増加は化学療法剤の選択を困難にし,かつ臨床効果を低下させているのは事実であろうと思われる。現在,人体無害でまつたく耐性菌のない抗生物質はおそらく皆無であろうと思われるが,また一方,起炎菌の決定とその薬剤感受性に対し簡易迅速かつ確実な検査法もまた存在しない。
ただ臨床上比較的容易で,しかも,ある程度の信頼を置き得るのはDisk法による感受性試験であろう。私は過去2年間耳鼻科領域の感染症に対し可及的に検菌培養を行ないそのDisk法感受性試験成績によつて治療を行なつてきたが,今回,その250例の集計を行なつて二,三私見を得たので報告する。
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.