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感応錠による耳鼻咽喉科領域疾患の細菌感受性について
関谷 忠雄
1
,
原田 愷種
1
1国立名古屋病院耳鼻咽喉科
pp.579-581
発行日 1955年10月20日
Published Date 1955/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201411
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緒言
最近化学療法の進歩は誠に目まぐるしい程で特長のあるスルフア剤や抗生物質が次々と出現するに及びその臨床的応用は非常な複雑さを増し慎重さを要するようになつた。細菌性疾患に対して抗生物質を使用するに当つては,先ずその病原菌を確める可きであるが,多忙な日常の診療に於ては実際にはなかなか容易ならぬことである。其の上に化学療法剤の頻繁且潤沢な使用に伴つて耐性が現われ抗生物質がなかなか効かぬことがあり,治療上困惑する場合を屡々経験するようになつた。即ち耐性の問題が極めて重要になつて来たのである。
吾々耳鼻咽喉科医の日常使用する藥剤のうち化学療法剤は主要な位置を占めるもので,之を合理的に使用する為に細菌の感受性試験を行う必要を認めていたのであるが,耐性試験法として従来の試験管による倍数稀釈法,平板法,比溷法,濾紙法等は其の設備や操作の点に難点があつた。吾々は最近簡単,容易で正確に検査が出来ると云われる錠剤法即ち感応錠による試験法を試みてみたのでその成績を報告する。
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