研究
細菌感受性試験剤—感受性ディスクによる結核菌の耐性試験について
斉藤 直治
1
1盛岡鉄道病院
pp.455-459
発行日 1961年7月15日
Published Date 1961/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905854
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はじめに
抗生物質の発見以来結核患者に対する化学療法は,長足の進歩を遂げ,結核の撲滅に大いなる貢献を果したことは今更論をまたないところであるが,爾来次第に薬剤に対する「いわゆる耐性菌」の出現が大きな問題となり,種々の薬剤の併用が試みられている現在,これら薬剤個々の耐性を検査することが,一部の機関,あるいは大病院等を除いては実施されていないものと思われる。ことに吾人のような中小病院の検査室においては,抵抗性培地は勿論分離培地においてもすべて市販品を使用しており,耐性検査は従来通り,SM,PAS,INAHおよびTB1のみで,特に前三者の併用検査のみが常用されている。かように種々の薬剤が併用されている現在,耐性検査の面においては跛行的存在であることは,誠に遺憾に堪えない。
この時にあたり現有材料によつて何分概略的でも,各種使用薬剤に対する耐性検査を実施したいと思い,本年1月より一般細菌感受性試験剤であるディスクを使用して見たのであるが,誠に興味ある結果を得たのでここに報告し,一般の追試を願うとともに,諸賢の御批判を乞う次第である。
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