薬剤
末梢前庭性めまいの薬物療法—二重盲検法によるDuvadilanの効果
五島 一吉
1
,
奥富 厚
1
,
宇都宮 元始
1
,
高橋 文夫
1
1武蔵野赤十字病院耳鼻咽喉科
pp.405-411
発行日 1971年5月20日
Published Date 1971/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492207637
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I.はじめに
末梢前庭疾患に伴うめまいの治療には従来からいろいろの薬物が使用されてきている。このめまいはある時は急性に発来し,ある時は慢性状態へと移行することがある。
そこでこのめまいに対する治療は次にあげる4つの点に注意しながらすすめられる必要がある。
1)急性のめまい発作に対して
2)慢性のめまい状態に対して
3)めまい発作に伴う症状すなわち,耳鳴,難聴,その他の自律神経症状に対して
4)めまい発作再発の不安に対して
われわれは先に 1)に対する薬物として急性実験の結果Duvadilanを含めたいくつかの薬物が有効であることを報告した3)5)。
そこで今回は主としてDuvadilanの長期使用により 2)および 3)に対して二重盲検法(double blind test)1)8)により比較実験の立場より検討を加えてみた。
あわせて,末梢前庭性めまいの薬物療法による効果の判定や二重盲検法による治療法を中心とするいくつかの問題点について考察を加えてみたいと思う。
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