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Ⅰ.緒言
舌咽神経痛はきわめて特徴ある独立疾患であるが,本邦における報告は少ない。Baker1)によれば,舌咽神経痛は,(1)疼痛は一過性で痛みの程度は種々であり,(2)痛みの所在は耳,鼻,舌,上下顎の一部である。(3)頻度は三叉神経痛よりまれで,両側性のこともあり,(4)発病は,年配の男に多く,嚥下,会話,あくび,笑いに際しておこる。(5)激痛発作の直前に口蓋扁桃,舌,外耳道に異様な感覚が前駆することが多く,これらの場所をtrigger zoneと呼ぶ。(6)知覚低下はみられず,激痛発作は間歇的であり,遺伝関係の有無については報告がない。
今回われわれは31歳の女子にみられた典型的な舌咽神経痛の症例において,局所神経ブロックでは症状の一時的緩解をみたのみであつたので,さらに恒久的治療の目的で頸部手術による末梢舌咽神経切除を行ない,好結果を得たので報告する。
Thirtyone-year-old woman was diagnosed as idiopathic glossopharyngeal neuralgia on the left side. The patient showed typical pain attack in the innervated areas of ninth nerve. Operation was done by cervical approach and the nerve was resected in 2cm of its length. Postsurgically, the patient was completely relieved from neurlagia attack.
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