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建議書と耳鼻咽喉科学会の態度
斎藤 英雄
1
1日本大学駿河台病院
pp.1229
発行日 1967年11月20日
Published Date 1967/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203853
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今回中医協の建議書が公表され,その内容の詳細が判明するにつれて,医療担当者特に耳鼻咽喉科医の憤りがたかまり,頂点に達しようとしている。たまたま建議決定の直前,私は日本耳鼻咽喉科学会と日本医師会との接点に立ち,以後この問題に関与しているので,大略の経過と共に,いささか感想をしたためる。
日医より電話連絡があり,中医協公益委員案に対して意見を求められたのが9月5日の夕刻であつた。示された案文を行を追つて見てゆく内に,耳鼻咽喉科処置点数引下げの条項を見出し愕然としたのである。説明に当つた日医の理事者にその根拠を質したところ,今回の適正化措置によつて耳鼻咽喉科にその影響率が特に高く,他科とのバランスをとつたためという。私は適正化によつて始めて上昇した部分を削減して不合理な線にあわせることは論理性がない。しかもそれを耳鼻咽喉科治療の中核である処置点数を引下げて補うことは専門技術に対する冒涜という他はない。容認できないことを強くのべ,日医理事者にも共感を得て,処置点数を引下げることのないことを約束した積りであつた。
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