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特集 臨床医のコモンセンス・1―内科医に必要な他科知識
耳鼻咽喉科
咽喉頭異常感症
Lump in the Throat
丘村 熙
1
Hiroshi Okamura
1
1愛媛大学耳鼻咽喉科
pp.876-877
発行日 1992年10月15日
Published Date 1992/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900598
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- Abstract 文献概要
・咽喉頭異常感は咽喉頭部に閉塞感,異物感,ひっかかり感,圧迫感など何らかの異常を訴える感覚である.器質的疾患の一症状である症候性異常感と原因疾患の見いだせない場合が区別される.後者を咽喉頭異常感症という.
・咽喉頭異常感を引き起こす疾患は多彩で局所的要因,全身的要因,精神的要因など多岐にわたる(表1).局所要因を疑わせる症状として,症状が1カ所に限定されている時,わずかでも痛みを伴う時,嚥下困難を訴える時,がある.とくに嚥下痛は悪性腫瘍を念頭におく必要がある.原因疾患の検索には局所の視診や触診に加えて,上部消化管透視や内視鏡検査,さらに心理テストなども必要となる.
・すべてを検査することは困難であり,診断的治療を行うこともある.この場合,経過を確認することが重要である.
・局所疾患の有無の診断には耳鼻咽喉科医の診察を一度は受けることが望ましい.下咽頭および食道の悪性腫瘍の初期症状であることが多いからである.
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