薬剤
アレルギー性鼻炎に対するホモクロミン錠の使用経験
南条 昭一
1
,
須賀 秋男
1
1公立学校共済組合関東中央病院耳鼻咽喉科
pp.779-783
発行日 1967年7月20日
Published Date 1967/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203800
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.はしがき
近年アレルギー性疾患の治療には抗ヒスタミン剤を初めとし,副腎皮質ホルモン製剤などが登場し,大きな治療効果をあげてきているが,反面,副作用その他の面からその使用に当たつては,なお一定の限界が見られ,治療効果が優れ副作用の少ないものが待望されている。
一方,近年アレルギーの概念も変つてきて,木村氏の文献から引用するとアレルギーは直接に抗原抗体反応によつて起こるのではなく,抗原抗体反応により細胞あるいは体液から内因性の化学的原因体が遊離したり活性化することによつて起こつてくるという考え方が有力になつてきつつあるという。そしてこの化学的原因については,従来のヒスタミン,アセチルコリンの他にセロトニン,SRS-A, ATP,さらに近年になつてブラディキニンなどの物質が報告されている。このうちブラディキニンについては,アレルギー惹起の化学的原因体としての役割の他に,末梢血管の拡張作用,毛細血管の透過性亢進作用など炎症機転に関与する意義が注目されている。
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.