特集 形成と機能訓練
形成
耳鼻咽喉科領域での形成資材(補てん材)—とくにその基本的な問題と応用
秋山 太一郎
1
1日本医用高分子材料研究所
pp.1373-1385
発行日 1966年12月20日
Published Date 1966/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203704
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まえがき
本誌より形成資材というテーマを提示されたが形成資材というと形成外科的な目的で扱う資材と解釈すれば問題は非常にひろく縫合糸からガーゼの類まで含まれるであろう。しかし実際に求めているものは外鼻や耳介を形成する場合に使う資材の意味であろう。とにかく,このようなまぎらわしさをさけるためにこの稿では"人工物による補てんの目的でつかう材料と解して補てん材"とよぶ方が当を得ているように思う。したがって,以下補てんという言葉を根幹にして補てん材,補てん物ときにプロテーゼなどと用語を統一していく。私はこれまで補てん,補てん材についてしばしばのべたが,どちらかというと断片的なものに終っているが,さいわい耳鼻科領域は補てんにもつとも関係の深い専門でもある。この機会にこれまでの記載の総まとめとして補てん材の基礎問題,それと臨床がどんなつながりがあるかについてのべてみたい。また高分子学上の専門用語はできるだけさけて医学の側に立って解説的にのべる。しかし限られた紙数でどの程度意をつくせるかは疑がわしいが"あさくとも広く"という意図でまとめてみたい。不充分なところは文献を通してご理解いただきたいと思い広範にかかげた。
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