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序言
近年文化の発達と共に我科領域の整形的治療も畸形の整形から一歩前進して美容整形の領域にまで及んで来ているが,此の整形の際に屡々使用されている資材に就いては,古くから使われているパラフイン,象牙の類から,最近の合成樹脂に至る迄種々ある。
特に最近では有機合成化学の発達に共に,有機高分子化合物による新製品が,次から次へと出て来る傾向にある。所でこれ等の製品を我々が臨床上に応用せんとする場合,一応の検討をした後,動物実験で生体等への反応が調べられているが,その製品.そのものの化学構造や性状から検討が行われている事は少い様である。先に著者の一人高橋は,合成樹脂と象牙との比較と云う小論文(日本医事新報No.1674)に於て,臨床的な種々の問題に就て検討したが,其の際にも資材其のものの持つ化学的,物理的性状をよりよく知つてからこそ,生物学的臨床的に検討すべき事の必要を痛感したのであつた。即ち我々は製品の臨床上の応用や,その優劣を検討する前に,製品そのものの性質を知る必要を痛感したので,最近一般に使用される機会の多い合成樹脂剤を主として対象にした表題の如き検討を試みたので,此処に報告する次第である。
Takahahi and associates investigated the problems connected to the use of organic compounds,particularly that of plastic mate-irals as inserts employed in prosthesis of the nose. Various phases of this problems are discussed.
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