特集 形成と機能訓練
形成
耳介および外耳道の形成手術
荻野 洋一
1
,
吉川 由絵
1
,
白石 輝雄
1
1新潟大学医学部耳鼻咽喉科教室
pp.1243-1274
発行日 1966年12月20日
Published Date 1966/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203695
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Ⅰ.緒言
外耳の変形は,それが先天性或は後天性何れの原因によるものであつても形成手術を行なう場合に問題となるのは,耳介の大きさ,形状及び外耳道閉鎖の有無等,その変形がどの程度のものであるかという事と共に,耳介周囲の皮膚,皮下組織及び頭髪等の異常,即ち手術,外傷或は火傷等によつて生じた組織の欠損や瘢痕の有無といつたものがどの程度であるかが手術の難易を左右し,又それによつて手術法も異つて来る。
従って個々の症例で条件がそれぞれ異なる訳であるから術前にこの事を念頭におき,如何なる手術法が最も適切であるか,その選択を誤らぬ様注意し,手術の計画を立て,患者にも手術内容の大略を説明し了解させておくことが形成手術を行なう場合には大切である。特に耳介の形成手術は唯1回だけの手術操作で目的を達する事は多くの場合困難であり,適当な間隔をおいて数回にわたり手術を行なう事がしばしばあるからである。
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