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学会こぼれ話
西端 驥一
1
1慶大
pp.903-904
発行日 1965年9月20日
Published Date 1965/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203492
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この頃学会をみて感ずることは,これが民主的に構成された点は一応時勢に合つた進歩に違いないが,その内容に至つては渾沌としている。私達はアジアの後進国が独立したにも拘わらずテンヤワンヤの状態で,これを手早く整頓するには独裁か共産主義かによる強力な統制による他致し方がないと嘆くが,学会の運営を見ていると,それに似かよつた感じを受けるのは残念である。併しそれも進歩の道程としてやむを得まい。長い目で見守るべきであろうが,併し時々反省してみることは必要であろう。
国際学会に就いて各委員が研究や診療の時間を犠牲にして渾身の努力を払つていることに我々は深甚の感謝の念を持たねばならぬ。併し時に失敗の声を聴く。これは会議の統制,事務の整理,責任の所在等に不慣れのせいもあつてある程度はやむを得ないが,各委員が自我や派閥意識を捨て切れないことにも原因があろう。
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