Japanese
English
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三歯を含む濾胞性歯嚢胞の1例
A DENTAL CYST CONTAINING THREE TEETH
岩田 逸夫
1
,
上田 俊郎
1
,
萩原 啓二
1
Itsuo Iwata
1
1名古屋第一赤十字病院耳鼻咽喉科
pp.459-461
発行日 1965年5月20日
Published Date 1965/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203436
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Ⅰ.はしがき
我々は稀に歯牙に基因する腫瘍に遭遇するが,それも比較的偶然の機会から見出す場合が多く,歯系腫瘍の症例は歯科方面に報告が多い。さて口腔に発生する歯牙に関係ある腫瘍としては,嚢胞系に属するものは歯根嚢胞が最も多く,嚢胞性歯嚢胞は比較的稀であり,真性腫瘍に属するものにはエナメル上皮腫(アダマンチノーム琺瑯腫)と歯腫があるが,Partsch,Wassmund氏等は嚢胞性歯嚢胞,琺瑯腫,歯腫の3者を歯系腫瘍と見做すのが妥当であると主張している。
さて嚢胞性歯嚢胞とは正常歯あるいは過剰歯の発育時,石灰化機転進行中あるいは発育完了後埋伏歯に関連して顎骨内に於て,歯冠表面の琺瑯質とそれを被つている琺瑯上皮をふくむ歯嚢との間に出来る一種の潴溜嚢胞と解すべきである。通常1歯を含み,時に2歯に関連するものもあるが,我々の症例の如く3歯を含む場合は甚だ稀有であるので,此処に報告したいと思う。
A swelling of the left side of the face, covering the region of the first and second premolars of the maxilla, was compalined in a male child, aged 8. Diagnosis of dental cyst was made and the patient was operated.
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