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古賀君への答え
西端 驥一
1
1慶大
pp.82-83
発行日 1964年1月20日
Published Date 1964/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203202
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- 文献概要
小生の学会批判に対して意見を述べて下さつて有り難う。実は2〜3の人と討論してみたが論旨の相違はもとより,一寸した言葉づかいでも予想外に重大な問題が含まれているので,難しいものだと痛感しました。新聞や雑誌の論争を注意して読むと一層その感を深くします。それで仲々両者がよい結論に達するのは困難であると感得したので筆をおく決心したのです。そう云う処へ君の論文が届いたので気が進まないのですが責任上からと君の熱意に答えない訳に行かないので筆をとります。
処で一般的に云つて,具体的事実を離れて,抽象論をすると,一層言葉だけの議論になる。そしてそれはどうとでも理屈がつくものですから,肝腎な論点がぼけてしまつて,読者は何れが正しいか,判断が出来なくなる恐れがある。
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