これからの開業医 木島先生のご一文を読んで
"君は君……"をグループに高めていくためには?
江見 康一
1,2
1一橋大学経済研究所
2日本医師会
pp.862
発行日 1968年7月10日
Published Date 1968/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202301
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自由な創造活動の社会的適用
まず随筆の題に感あり."君は君,僕は僕"というのは,人はそれぞれ独立の人格をもった存在だということだが,特に医師にとっては,個性的活動をもつことがたいせつだ,ということだろう.個性的とは,自由な創造活動をしてゆくためにはなくてはならない性格だ.医学・医術の進歩は自由な研究活動によってのみ約束される.ヒモがついていてはいけない.それに創意工夫は,自分がたえず接している地域の生活環境や,それを背景にした患者の特性に対してどのように対処するか,という適用上の熱意から生まれてくるものだと思う.医療とは"医学の社会的適用"だといわれるが,個性的活動は医学自体の研究においても,その社会的適用においても,いずれの分野にも必要な性格である.
夜間診療オンリーというのは,このような適用の1つのくふうであろう.私の家のすぐ近くにも,夜間診療オンリーのJ医院ができた.医師との不断の接触によって,みずからの健康管理をする立場からいうと,夜間オンリーができることは,勤め人には便利だ.特に中小企業や日雇的な仕事の人に.勤めを休まなくても,勤めが終わってから落ちついて医師と相談できるからだ.ついでに夜間診療プラス日曜診療オンリーの診療所ができればよいが,と思っている.
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