特集 鼓室形成術
手術よりみた鼓室の解剖学的観察
佐藤 靖雄
1
1東京大学医学部耳鼻咽喉科
pp.935-944
発行日 1962年10月20日
Published Date 1962/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202938
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鼓室成形術において病的粘膜の処理や,皮弁のおきかた,コルメラを含んだ伝音路の再設手技などについていろいろ微にいり細にいつたすぐれた報告がある。しかし本手術はあくまで中耳炎手術の一つであつて,橋縁を残したり,耳小骨を保存しておく症例では根治手術以上にその囲りの病巣について徹底した処置が必要であり,伝音機能をよくするためには個々の症例の病変について考えるほかに,解剖学的の構造も一つの要因となつていることをみのがしてはならない。
しかし,鼓膜の問題一つをとりあげてみても徹底的な研究がなおざりにされていないだろうか?
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