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特集 地域医療との共生―術後処置の依頼と紹介
1.鼓室形成術
1.Tympanoplasty
土井 勝美
1
Katsumi Doi
1
1大阪大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科
pp.811-824
発行日 2007年10月20日
Published Date 2007/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101152
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Ⅰ.地域医療と大学病院
1.大学病院診療科への紹介率
大阪大学医学部附属病院耳鼻咽喉科における平成17(2005)年度(図1-a)・平成18(2006)年度(図1-b)の初診患者数とそのうちの紹介患者数を図1に示した。年度および月により多少の変動はあるものの,おおむね毎月200名前後の初診患者が耳鼻咽喉科を受診している。平成17年度の年間初診患者総数は2,510名,そのうちの紹介患者は1,426名,平成18年度の年間初診患者総数は2,246名,そのうちの紹介患者数は1,468名である。この2年間は,初診患者のうちの医療法上の紹介率は60~70%,診療報酬上の紹介率は50~60%の範囲で推移している(図1-a,b)。
これらの紹介患者の約30%は,紹介元医療機関(病院および診療所)より『保健医療福祉ネットワーク部』へ紹介・予約申し込みの手続きを経て初診受診した症例である。同ネットワーク部への紹介・予約の申し込み手順(図2-a)と,紹介・予約申込書(図2-b)を図2に示す。保健医療福祉ネットワーク部を経由する患者紹介のシステムは,担当医が実際に患者を診察する前に,紹介医がどのような症状の患者にどのような疾患を疑い,検査・診断・治療などのうちの何を希望して大学病院へ紹介したのか知ることを可能にするもので,大学病院の治療担当医と紹介医とのコミュニケーションを早期より確立するうえできわめて有効なシステムである。同ネットワークを経由して当院耳鼻咽喉科を受診する患者数は年々増加の傾向を示しており,平成17年度は405名,平成18年度は560名に達している(図3-a)。
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